エコーネットコンソーシアムとW3C WoT (World Wide Web Consortium Web of Things)は、両者の適応領域拡大や新しい価値の創出を目指して提携し、協調して活動を進めています。
エコーネットコンソーシアムが策定したECHONET Lite Web APIはWoTの仕様を参考にしているため、仕様記述の形式には親和性があります。例えば、ECHONET Lite Web APIのDevice Description は、WoTのThing Descriptionを参考にしています。
これまでの連携活動の成果としては、WoTが掲げるユースケース集へのエコーネットコンソーシアムとWoTとの連携想定案の追加や、W3C主催のプラグフェストでのECHONET Lite Web APIとWoTとの連携動作の確認などが挙げられます。
同プラグフェストでは、ECHONET Lite Web API対応サーバ機能を内包したWoTのThing(デバイス)を実現し、同Thingに対して一般的なWoTのConsumer(アプリケーション)からの接続および動作を確認しています。
典型的かつ具体的なECHONET LiteとWoTの連携ユースケースとして、外出直後や帰宅直前に家庭内の複数機器を一斉に制御するスマートホーム関連の操作モデルを提案しています。これ以外でも、幅広いユースケースでECHONET LiteとWoTの連携は適用可能と考えています。
詳しくは、Web of Things (WoT): Use Cases and Requirementsをご覧ください。
2021年9月27日から10月1日まで開催されたW3C主催のプラグフェスト「WoT Sept 2021 Plugfest/Testfest」において、ECHONET Lite Web API とWoT との連携動作を確認しました。
エコーネットコンソーシアムが用意したECHONET Lite Web API対応サーバ機能および同APIへの自動変換機能を搭載したWoT の Thing(デバイス)に対して、2社および1団体が用意したWoTの Consumer(アプリケーション)が接続し、同Consumerから同Thingを介して物理的なデバイスを制御できることが確認できました。
具体的には、ECHONET Lite Web API対応サーバの機能により、Consumerからバックエンド側の宅内網に接続された家庭用エアコン、照明、温度センサ、照度センサの4種類のECHONET Lite対応機器を操作(制御および状態取得)できることを確認しました。同サーバとWoTのThingとの構成および接続機器との関係は下図の通りです。
プラグフェストの結果は、W3Cが管理されているGitHub上で公開されています。
WoT Sept 2021 Plugfest/Testfest
プラグフェスト後に開催されたOpen Dayにも参加して、連携時の技術的な課題について議論しました。
ECHONET Lite Web API/WoT Integration
今回のプラグフェスト用WoT Thingの構成検討と開発、全体システム構築、試験対応は、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)とエコーネットコンソーシアムとの共同研究の一環として実施されました。
JAIST様ご提供のサンプルコード
現在、エコーネットコンソーシアムおよびWoTはいずれも仕様策定と改訂作業を継続しており、今後も必要に応じて仕様策定に関わる相互検討や連携作業を進めます。併せて、両者の連携による新たな価値やサービスの創出につながる環境整備なども進めて行きます。